目が肥えてくるに従って好みの取り木素材は少なくなる。 つまり、取り木が面白いといってもどこにでもあるわけではないのだ。 ポイントとしては、とにかく足元と立ち上がりに1曲や振れのある部分で充分。 全体の仕上がりを考えず、まず優れたところの1部分、そのすぐ下で取り木するのが好結果を生むことが多い。 ぎ自分の好む樹形、樹高を考えておくことが取り木の大切なところで。 ある。 場合によって小品ボンサイでは、足元の塊からでも優品は可能だ。 従って取り木後が大切。 珍樹種や、人の作らない樹種、素材の穴場的な樹種も面白い。 優れた作品ができれば、必ずそれを参考にする人がでてくるものである。 取り木の技術的なポイントはイラストを見ていただきたい。 取り木は雑木・松柏類ともに可能。 目安として雑木は環状剥皮、松柏は針金を巻きつけて発根をうながすのが普通である。 取り木が難しいのは数10年にわたって接ぎ木で繁殖されてきた樹種。 例えばモミジの清玄やシシガシラが著名である。 梅の園芸種も同様。 接ぎ木が原因で、取り木や挿し木の発根がよくないのかどうかはわからない。 例えば接ぎ木の唐カリンは取り木も挿し木も難しいが、実生カリンは両方とも容易なのである。 五葉松は、実生系の若樹が取り木が容易。 那須系の五葉松の取り木はよく知られている。 一方、古樹となった五葉松は難しいことが多い。 黒松も相当の太さの樹でも可能とされるが作例はごくまれである。 |