また文学作品としては、『エーゲ海に捧ぐ』で芥用賞作家となり、それを映画化して監督業までこなす多才ぶりであった。 こんな人は何が本職なのか、恐らく自分でも分からなくなってしまうのではないだろうか。 ましてや、どの分野で収入を得ていたかなどということは、他人には皆目見当がつかない。 プロかアマかを区別することはナンセンスな話になってしまう。 こうして考えてみると、プロだアマだと特別に分ける必要はないのかもしれない。 けれどもプロ作家とか業者とかいわれる人達の作品や作風は、明らかに素人のそれとは異なった風格をもっている。 私の技術などでは、はるかに年若い専門家の足元にも及ばない。 やはりプロとアマは違うのである。 その違いはどこからくるのであろうか。 永い間納得のいく答えが得られなかった。 |