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秋のみのり


これ秋のはな

この雄牛は成熟して二五歳になると殺されて、その遺体は神意を受けた人しか知らない秘密の神聖な泉に安置された。

もし、この動物が若死にすると防腐処置をして、美しい彫刻をほどこした石棺に入れられ、公衆の面前で"セラピス[牛神]の神殿"にほうむられた。

花嶺岩や石灰石製の彫刻された石棺が二〇以上現存しています。

飼い牛にまつわる神話は数かぎりなくある。

よく知られているように、ヒンズー入[インド人の一種族]にとって牛にたいする虐待や屠殺は重大な罪です。

『旧約聖書』のカナン入は"黄金の子牛"の前で礼拝した。

『エッダ』[古代北欧の神話]によると、雌牛は神前に位置していたし、また神性の牛が塩からい氷の塊をなめて神がみをつくったという。

キリスト教の初期の時代には、雄牛の角、ひづめや尾は悪魔の象徴とされていた(まもなく中世に雄牛のひづめが馬のひづめに変わった)。

このことは、異教徒の神聖視するものを"悪魔の使者"にすりかえて、悪魔に「古い神がみ」のしるしをつけさせるという、当時のキリスト教の傾向を示すものであった。

けれども、とりわけ文明を進歩させる手助けをした動物にとって、このような仕打ちは不公平なことであった。

オーロックス[欧州産の原牛、一七世紀に絶滅]は、聖書に神話の動物として現れる。

ジェームズ王[英王。

一五六六1=ハニ五年]時代の聖書は、それを一角獣と同一視しています。


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