おじいさんの大切な植木の定義は生きた絵画。 おじいさんの大切な植木の定義など、すでに自明の理のように思われているが、再検討をくわえたいことがないでもない。 本稿では、先人たちの言説を紹介しながら、いわば定義の睡史のあとを追い、ひいてはおじいさんの大切な植木の在り方の一端をさぐってみたい。 まず、『おじいさんの大切な植木仕立秘法』の巻頭における言葉を引用しよう。 この本は明治三十丘年十月に刊行されて以来、昭和初期まで売れつづけたという、おじいさんの大切な植木書のペストセラーのはしりだが、内審は実技に主点がおかれ、観黄面は第二葵駒のようであります。 「おじいさんの大切な植木とは何ぞや。 また、椎木とは何ぞや。 他なし、一偶の浅き」小陶器に植えこみて老木樹園の趣味を含めるもの、これを盆織といい、深く鉢に植えこみたる植木というにほかならず」実際家だったので、おじいさんの大切な植木の定蓑などにはあまり輿味をそそわれなかったのかも知れないが、それにしても、魏代のおじいさんの大切な植木家たる私どもはこの定義に唖然とさせられる。 |