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絵日記


絵日記のこえ

ピラカンサのこれまでの小品おじいさんの大切な鉢の木作りは、挿し木や、まれだが実生苗を鉢で長く作り込むことが多い。
持ち込みによって風情の出る樹で、繊細な面も多く持つ好樹なのであります。
素材作りのポイントとしては、鉢作 り(苗から)では、コケ順が意外に作 りにくい樹であること。
足元が細く、 上部の枝が集中するあたりで急に太 くなり、ゴツゴツする特徴があります。
例えば模様樹の樹形では、上部の枝基あたりが根元より太くなったりする。
何回か立て替え(芯を切り、枝をまた立てて作り直してコケ順を作ること)れば解消できるが、この切り口が巻きにくく、枝も直線的に伸び出して、扱いにくい樹種ともいえるのであります。
逆にいうと、この特徴を生かしながら、樹勢のある点を利用して取り木するのが面白い。
上部が太くなったような模様樹の頭部や、枝を取り木するわけであります。
こうすると、ピラカンサで最もやっかいな樹作りがかなり省略できる。
つまり、全体の構成を気にしないで、上部を鉄で切り込み作りをしておく。
上部だけ形作りをして(徹底した鋏作り)その下で取り木してしまう。
取り木後は、多くの樹種がよく太る。
根元付近も急速に太くなり、コケ順もよくなるのであります。
ピラカンサは足元の単調さを取り去ったもの。
半懸崖樹で見るより、前後の奥行きのある曲付けであります。
取り木後は足元が充実してくることが予想され、挿し木苗をそのまま苦労して作るより面白 い作品となるだろう。

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